鉱物シリーズvol.1 「ルビーとサファイアが同じ鉱物!?」

2022.12.07

皆さんこんにちは! 今日も元気にむらさきのリスです!

youtuberがやってる始めの挨拶みたいなのがほしいなと思いつつ、何も思いつかないのでいいのがあったらコメントお願いします。個人的には「わんどりーむ! むらさきのリスです!」か「どぅーせっ! むらさきのリスです!」がいいですが、「あんにょん! むらさきのリスです!」くらいが無難なんでしょうか……?

さて、くだらない前置きはこのくらいにして、今日はタイトルにもあります通り、宝石のお話をしていこうと思います♪

最近はクリスマスも近づいてきて、パートナーや大事な人に、プレゼントとしてネックレスや指輪などを送る方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで! おすすめのペア鉱石をご紹介しようと思います!

鉱物目線でダントツおすすめなのが、「ルビー」と「サファイア」です。

「ペアって普通、同じものを身に着けるんじゃないの?」と思ったそこのアナタ。よく耳にするのは、片方はペアにしたいけど、もうひとりが恥ずかしくてしてくれない……という悩み。さりげなく、だけれどもおそろいにしたい……そんなカップルにぴったりなのが、こちらの「ルビー」と「サファイア」なのです!

それでは「鉱物シリーズvol.1 ルビーとサファイアが同じ鉱物!?」いってみよう!!

 

 

★「ルビー」と「サファイア」の組成

実は、どちらも「コランダム」と呼ばれる主成分が酸化アルミニウム(Al2O3)からなる鉱物です。ちなみに、「ルビー」というのが赤いコランダム、それ以外はすべて「サファイア」と呼ばれています。(つまり、サファイアには「グリーンサファイア」や「ピンクサファイア」なんてものも存在するのです。)

ここでは「ブルーサファイア」のことを「サファイア」と呼ばせていただきます。

綺麗な赤と青、どうして同じ鉱物なのに、こんなにも色が違うのでしょうか?

答えは、中に含まれている微量元素の種類が異なるからです。

これをお話するには、鉱物というものがどうできるのかという部分をお伝えしたほうがよさそうですね!

 

★「鉱物」のでき方

鉱物は、溶岩が冷める時や、一度溶岩が固まって出来た岩石が埋没する時に圧力・温度が上昇することによって、人の手を借りずに自然に生成されます。また、温泉の水のように、熱い水が岩石の割れ目などを通過するときに、熱水中に溶解した物質と岩石中の鉱物が反応することにより、新しい鉱物が析出したりします。

やわらかサイエンス / 地層科学研究所 の記事より引用

 

このようにしてできる鉱物は、できた時の環境によって、さまざまな微量元素が不純物として結晶構造内に取り込まれてしまいます。本来であればコランダムは無色透明な結晶です。ここに微量元素としてほかの金属イオンなどが取り込まれることで美しい色の鉱物が出来上がるわけです。

 

★「ルビー」と「サファイア」に含まれる微量元素

閑話休題、「ルビー」と「サファイア」に話を戻しましょう。

同じ鉱物のコランダムに、何が含まれたら「ルビー」と「サファイア」になるのでしょう?

その答えは、こちら!

ルビーは微量元素として、クロムイオン(Cr3+)を含むことにより赤い色に見えます。
ブルーサファイアは鉄(Ⅱ)イオン(Fe2+)とチタンイオン(Ti4+)を含むことにより青い色に見えます。

これは、それぞれアルミニウムイオン(Al3+)の代わりに入っていると考えられます。クロムイオンは同じ3価の陽イオン、鉄(Ⅱ)イオンとチタンイオンは足したら+6となるので、アルミニウムイオン2つ分となります。

鉱物ができるときに同じ価数のものと間違えてしまうわけです。代用されていると考えてもいいかなと思います。

どのくらい元素が入るかによって宝石の明度や色彩が変化します。なので、一見ルビーに見えても、紫みが強かったりするとそれはルビーではなくなってしまうわけです。

鉱物鑑定士の方も、ルビーを見分けるのは至難の業だそうですよ。

 

 

さてさて、「ルビー」と「サファイア」をパートナーや大事な人とペアで持つことのおすすめ理由は、

実は同じ鉱物からできている!

ということでした。これのいいところは、鉱物そのものが同じものなので違うアクセサリーでもおそろいができるところです!! どちらか指輪やブレスレットでルビー、もうひとりはネックレスやピアスでサファイア、なんていうのも素敵かもしれません……! 私のあこがれは、ルビーのピアスとサファイアのピアスを彼氏と一緒に同じ左耳につけることです。よくないですか、さりげないおそろい。ちなみにピアスの穴は今のところ開いていません。両耳あけてひとつずつつけようかな……()

 

★「ルビー」と「サファイア」の由来

最後に、どうしてこんなにも違う名前になったんでしょうか? ということをお話しして終わりにしようと思います。

「サファイア」には「ピンクサファイア」や「グリーンサファイア」など、たくさんの色が存在します。では、どうして赤いものは「レッドサファイア」ではなく、「ルビー」と呼ぶのでしょうか?

 

ルビーの語源・由来 ルビーの語源は、「赤」を意味するラテン語の「ルベウス(rubeus)」から来ているという説があり、サンスクリット語の「宝石の王」を意味する(ratnaraj)に由来するといわれています。 ちなみに和名では、ルビーは「紅玉(こうぎょく)」と呼ばれています。

ルビーに込められた意味とは / ジュエリーstory より引用

1800年以前はルビーだけでなく、ガーネットなどの赤い色の宝石を全てルビーと呼んでいたんだそうです。確かに、色で見分けるのが一番よいやり方ですし、それで名称を決めるのも頷けます。

 

サファイアとは、「青」を意味するラテン語の「サッピールス(sapphirus)」に由来しています。 日本名でも「蒼玉(青玉)せいぎょく」と呼ばれ、色を意味する和名がつけられるほど、青という文字が印象づけられます。

サファイヤに込められた意味とは / ジュエリーstory より引用

 

同じように調べてみると、サファイアも「青」が語源なんですね。同じ記事の中に書いてありましたが、古代旧約聖書の中で書かれているサファイアとはラピスラズリ(和名は瑠璃)を指しており、特定の石の名前ではなく古代では青い石全体を意味していたと言う記述もあったそうです。

ということは、語源から考えるに、昔は鉱物の組成などが詳しく調べられなかったから、見た目の色で分類され名称が決められていた、ということになります。ルビーもサファイアも同じコランダムであることが分かったのは、鉱物学が発展してきた最近のことなのかもしれません。

そう考えると、ほかの鉱物の名前の由来なども気になってきます。私は1月生まれなので、今度ガーネットについても調べてみようかな!

 

さてさて!

今回は、「鉱物シリーズvol.1」ということで、クリスマスも近いので宝石の話~「ルビーとサファイアについて」をお送りました。事の発端は授業でアルミニウムが出てきたこと、それでルビーとサファイアの話をしたことです。

「ルビーとサファイアって色が全然違うのに同じで神秘的だよね、ペアで持ってたらずっと一緒にってメッセージとかこめられそう」

と言ったら、プレゼントの話になりました。

「高校生にはちょっと手が届かないかもしれないけど、こんな風にプレゼントにも意味を持たせてみたら理系ぽいよね! 大人になったらぜひやってみて!」

……そう言ったところ、生徒達には、「先生と違ってプレゼントする相手がいません」と怒られました。

私だっていないかもしれないのに。理不尽だ。

 

 

それではみなさま、メリークリスマス!!

素敵な日をお過ごしください!! むらさきのリスでした!

 

 

 

 

 

 

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Writerむらさきのリス

歴史好きの理科教員。三度の飯よりアニメが好き。THEインドア。アニメを見ているかマンガを読んでいるかKPOPを聴いています。